Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
アークライト邸

城壁の側、比較的分かりやすい区画に建っているアークライト邸。
大通りから家の玄関まで、綺麗に一直線の歩道が続いている。 にもかかわらずほとんどの足跡はその歩道に跡を残さず、むしろ庭の中のあちこちに残っている。

余談になるが、隣の家の表札にもアークライトと書かれている。
アークライト師団長の祖父や親が住む実家である。


「あのー、念のためにお伺いしますが……。」

コペルニクス 「ちゃきーん。質問とはよい心がけだ。
 もちろん俺様の華麗なる高枝切りバサミについてだな?
 よかろう、何でも聞き賜え。」

「まさか家に帰ったら、
 他にも何本か高枝切りバサミがあるなんてことは
 ……ないですよね?」

コペルニクス 「ちゃきーん。失礼な。
 一本の高枝切りバサミをずっと使い続ける。
 それでこそ高枝切りバサミ冥利に尽きるというもの。」

「……なんですか、その高枝切りバサミ冥利って?」

コペルニクス 「では特別に語ってやろう。
 俺様とこの華麗なる高枝切りバサミが出会ったのは
 そう、俺様がまだ若かりし頃……」


すたすたすた


コペルニクス 「おーい、無視するなぁ」



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▽ハーシェル邸へ行く
▽ラントシュタイナー邸へ行く
▽パン屋ソフトブレットへ行く

★★



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