Forbidden Palace Library #08 認可なき侵入


王都シルバニア
城壁

日差しをうけて白く輝く城壁。
そしてその城壁の下、同じ白さで輝く高枝切りバサミ。
季節が移り変わってもこの二つだけは変わらないものなのだろうか。

ついこの間まで城壁の上に常備されていた雪かき用のスコップは、もう季節的に必要ないと判断されたのか、兵舎に戻されてしまったようだ。

城壁の側に設けられた馬車駅では、馬車の上の商人達と地元の商売人がああだこうだと大きな声を出しながら価格交渉を行っている。



「あのー、エリーゼ師団長。」

エリーゼ 「あら、なぁに秘書さん?」

「その、さっきボイス元帥が言っていた
 『次期師団長候補のJ』ってどんな人なんです?
 探そうにもよく考えたらどんな人かも知らないなぁと。」

エリーゼ 「……実は私もよく知らないの。
 私が師団長になったのって2年前でしょ?
 城壁守備隊長時代を含めても王立軍に入隊してから5年ぐらいにしかならないし。」

「そう考えるとエリーゼ師団長ってもの凄い早さで出世しているんですね。」

アシスト 「そういうことになるな。」

「あれ?アシスト師団長、いたんですか?」

アシスト 「ああ。……しかしエリーゼの履歴はそれに見合うだけのものだ。
 なんといってもバレンタインの高等学校を首席で、
 しかも設立以来最高の成績で卒業してるだけあるからな。」

エリーゼ 「ちょっと、ロウクス君っ!」 

アシスト 「いいじゃねぇか、誉めてるんだから。」

「どこかの誰かさんとは大違いですね。」

アシスト 「ん?今一瞬俺の方見なかったか?」

「気のせいですよ、ええ。
 やだなぁ、そんなことあるわけないじゃないですか。
 あはははははは。」

アシスト 「もちろんそうだよなぁ、はっはっは。
 ……秘書、
 後で実験台な。」

「ええっ!?」

エリーゼ 「ロウクス君っ!」

アシスト 「げっ! やべっ、聞こえてたっ。」


たったったっ


エリーゼ 「ちょっと、待ちなさいっっ!」


だだだだだっ


「……あーあ、行っちゃった。」



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