「あのー、エリーゼ師団長。」
「あら、なぁに秘書さん?」
「その、さっきボイス元帥が言っていた
『次期師団長候補のJ』ってどんな人なんです?
探そうにもよく考えたらどんな人かも知らないなぁと。」
「……実は私もよく知らないの。
私が師団長になったのって2年前でしょ?
城壁守備隊長時代を含めても王立軍に入隊してから5年ぐらいにしかならないし。」
「そう考えるとエリーゼ師団長ってもの凄い早さで出世しているんですね。」
「そういうことになるな。」
「あれ?アシスト師団長、いたんですか?」
「ああ。……しかしエリーゼの履歴はそれに見合うだけのものだ。
なんといってもバレンタインの高等学校を首席で、
しかも設立以来最高の成績で卒業してるだけあるからな。」
「ちょっと、ロウクス君っ!」
「いいじゃねぇか、誉めてるんだから。」
「どこかの誰かさんとは大違いですね。」
「ん?今一瞬俺の方見なかったか?」
「気のせいですよ、ええ。
やだなぁ、そんなことあるわけないじゃないですか。
あはははははは。」
「もちろんそうだよなぁ、はっはっは。
……秘書、
後で実験台な。」
「ええっ!?」
「ロウクス君っ!」
「げっ! やべっ、聞こえてたっ。」
「ちょっと、待ちなさいっっ!」
「……あーあ、行っちゃった。」
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