「……んもぅ、
どこに行ったのかしら?
どういうわけか逃げ足だけは早いのよねえ。」
「あ、エリーゼ師団長。」
「あら、秘書さん。ロウクス君……いえ、アシスト師団長見なかった?」
「見てませんけど……逃げられたんですか?」
「ええ。」
「走力だけなら確実にエリーゼ師団長の方が
上だと思うんですけどねぇ。
もしかして光学迷彩魔導とか使って逃げていたりして。」
「……!」
「あ、あのー、今何か思い当たりませんでした?」
「そう言えば昨日そんな感じの本読んでいたわね。
……我が手中に一時の灯火をっ!
ライトっ!」
「!!! エリーゼ師団長の後ろに人影がっ!?」
「ちっ!」
「そこねっ!蹴りぃぃぃぃぃっ!!!」
「痛ってぇぇぇぇぇぇっ!」
「あ、アシスト師団長!」
「光学迷彩魔導は擬似的に自分自身を周囲にとけ込ませる。
だが地面に落ちた影まではコントロールできない。
そこを見抜くとは……ぱたり。」
「んもぅ。いい加減にしてください、ロウクス君!」
「きゅう。」
(……この二人ってある意味最強かも。)
★★