王都シルバニア
城壁
日差しをうけて白く輝く城壁。
そしてその城壁の下、同じ白さで輝く高枝切りバサミ。
季節が移り変わってもこの二つだけは変わらないものなのだろうか。
ついこの間まで城壁の上に常備されていた雪かき用のスコップは、もう季節的に必要ないと判断されたのか、兵舎に戻されてしまったようだ。
城壁の側に設けられた馬車駅では、馬車の上の商人達と地元の商売人がああだこうだと大きな声を出しながら価格交渉を行っている。
「おや、マルス君。」
「んんん。いやぁ、一週間ぶりー。元気ー?」
「うん、ところで手に持っているのは何だい?」
「んんん。地図。
道に迷ったときとか便利だよ。
いる?」
「うん。いる。」
「んんん。
本当はホログラフィがついてる立体地図だったんだけど、
それが消えて無くなっちゃってるから無料でぷれぜんと。」
「いいの?」
「んんん。」
「じゃあありがとう。もらっちゃうね。」
「んんん、毎度ありー。」
・・・・・
(毎度ありーって……お金貰っていないんじゃ?)
▽ 中央公園へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ 住宅街へ行く
★★★
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