Forbidden Palace Library #08 認可なき侵入


王都シルバニア
住宅街

雪も解け、ゆるやかに春の風が舞うこの季節。
住宅街の所々でも花のつぼみがわずかに地面から顔を出し始めている。
それまで耐えてきた長い冬を乗り越え、夏の来ないこの地方でわずかな春の陽気を楽しむかのように。

昼食の時間ということもあり、さっきまであれだけ屋外にでていた子供達はとりあえず家に戻っているようだ。
お昼ご飯が終わった後、再び外へ遊びに出掛けるのであろう。



ボイス 「見つけおったぞ、ジュリアス!」

ジュリアス 「げっ、ジジィ!」

ボイス 「実の祖父に向かってジジイとは何ごとじゃ!
 そこに直れっ!
 この放蕩孫めっ!」

ジュリアス 「誰のせいだと思ってるんだよ、ジジイ?」

ボイス 「無論、御主が許され難き行為をしたからだ!」

ジュリアス 「だから濡れ衣だって言ってんだろ!」

「……あのー、もしもし?」

ボイス 「なんじゃ、邪魔するな秘書。」

「なんとなく話が見えたようでいまいち見えていないんですが……
 とりあえずこんなところで喧嘩もなんですし、
 一度作戦会議室に戻られては……。」

ボイス 「……まあよかろう。」

ジュリアス 「それもそうだな。
 ジジイ、それまでしばらくお預けだ。
 よかったな、ひからびた脳細胞でも考える時間が出来て!」

ボイス 「なにをぅ若造め!
 お前のようなひよっこに、
 次期師団長候補のお墨などをやるわけには……」

「だから作戦会議室に戻ってからにして下さいってばぁ!」



▽ とりあえず作戦会議室に戻る



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