Forbidden Palace Library #08 認可なき侵入


王都シルバニア
王城3F 作戦会議室



ジュリアス 「だから俺じゃねぇって10年前から言ってるだろう、ジジイっ!
 確かにこっそりチョコチップクッキーに走ったのは認めるけど、
 食器棚にしまってあったミルククッキーを食べたのは俺じゃないっ!」

ボイス 「実の祖父に向かってジジイとは何事だっ!
 ジュリアス、だいたいミルククッキーを食べるのは
 うちの家でお前以外に誰がいる?」

ジュリアス 「だから俺の本当の名前はユリウスだってば!
 アークみたいに訛って呼ぶなっ!
 だいたいあんたが名付け親だろっ!?」

ボイス 「いちいちうるさいぞ、ジュリアス!」

ジュリアス 「ユ・リ・ウ・ス!」


がちゃっ


アーク 「よいしょ。 あれ、いつの間にこんなに扉が小さくなったんだろう?」

ユリア 「アーク、そこ、窓。」

「ってええっ!?
 あのー、アークライト師団長?
 どうやったら3階の窓から入ってこれるんです?」

アーク 「きょろきょろ……さぁ、それが僕にもさっぱり。」

「今更ながらこの人って一体……。」

コペルニクス 「ちゃきーん。」

「いえ、別にそこで鳴らす必要はないと思うんですが。」

アーク 「それより、ジュリアス兄さん見つかった?」

ジュリアス 「ここにいるぞ、俺は。」

アーク 「あ、いた。」

「いた、って……隠れんぼじゃないんですから。」

アーク 「そういえばジュリアス君の家で、
 家に帰ってきた家族の誰かを脅かそうと
 隠れんぼしたこともあったっけ。

ジュリアス 「あー、あったなー、結局アーク途中で行方不明になっちゃったけど。」

レナード 「いつものことだ。」

「その一言で済んでしまうあたりが……。」

アーク 「そうそう、
 それで食器棚に隠れてたら目の前に美味しそうなミルククッキーがあって、
 思わず食べちゃったことが……あれ?みんな、どうしたの?」

「今、何て言いました?」

アーク 「うん、だから食器棚の中にあったミルククッキーをぱくっと……。」

「……ひょっとして……アークライト師団長が?」

ボイス 「…………ほぅ。」

アーク 「うん、なんだかよくわかんないけど
 雰囲気怖いから後で出直すね。
 じゃ、僕はこれで。」


がちゃっ


ベル 「って、おい!」

アシスト 「……なんであいつ窓から出ていくんだ?」

エリーゼ 「ここ、3階よねぇ……?」

ボイス 「秘書っ!あいつを追いかけろっ!その窓からっ!」

「ち、ちょっと待って下さいよ!無理ですよそんなのっ!」

ボイス 「わかった。ならば来年度の有給を全て没収、と。」

「そ、そんなぁぁぁぁああっ!」



▽ おしまい。



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