Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
城壁

冬に比べ太陽の日差しは強くなり、白銀の城壁はいっそうその輝きを増す。
そして反射された太陽光により、城壁の周囲はやや暖かみを増す。

やや日差しが傾き、周囲が冷えてきたせいなのだろう。
先ほどまでうとうとしていた兵士達も、今はもうしっかりと目を覚ましているようだ。



レナード 「……だが、あまり公に調べるわけにも行かない、か……。」

ジュリアス 「カイザリアの第十三次北方調査隊の話か?」

レナード 「ああ。念には念を入れ、慎重に調査をしなければならない。」

ジュリアス 「『石橋を叩いて壊す』というやつだな?
 大きなハンマーでこう、がんがんっ、ぴしっ
 がらがらがら、どぼーんって感じに。」

レナード壊してどうする。渡るんだ、石橋を。」

ジュリアス 「そう、それ。似てんじゃん。」

レナード 「…………とにかく、
 関係者と思われる人物に気づかれないよう調査しなければならない。
 万が一バレてしまえば、いままでの国外調査が無駄になってしまう。」

ジュリアス 「『お湯の泡となる』というやつだな?」

レナード水だ、水。沸騰させてどうする。」

ジュリアス 「そう、それ。いっしょいっしょ。」

レナード 「…………とにかく、
 いちど調査方法を考え直さないといけないな。
 お前にこれ以上国外で活動してもらうわけにもいかないしな。」

ジュリアス 「用心深いな、レナード。
 それが『転んだ先の杖』ってやつか?
 最初から持っていれば悔やまなかったのになぁ。」

レナード 「……ジュリアス。」

ジュリアス 「ん?なんだ?」

レナード 「もういっかい初等学校に行って国語の勉強し直してこい。」



▽ 中央公園へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ 住宅街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く

★★



▽ 書庫に戻る

OWNER
Copyright(c)1997-2000 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。