Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
中央公園

地面には花が咲き、芝生には草が生い茂る。
落葉樹は再び枝を青く染め上げ、針葉樹も冬とは違う鮮やかな青さを引き出している。
中央公園は冬と同じ場所とは思えないほどの、色鮮やかな色彩で満ちている。

冬にくらべ太陽が高くなったこの季節、影がくっきりと地面に映え遊ぶに適しているのだろう。
噴水の側では、子供達が無邪気に影踏みで遊んでいる。



ユリア 「……ウィルバーちゃんっ!
 さっきはよくもあたしを怖い目に遭わせたわね?
 後ろは池と噴水よ。もう後がないわ。」

アシスト 「…………それはどうかな?
 キエル・ヴュキ・ハリル
 水よ動きを止め凝固せよ フリーズ!」


ピキィィィィィンっ


ユリア 「!? 池を凍らせた!?」

アシスト 「はっはっは、こうすれば例え池の上だって
 走って逃げられるという寸法だっ!
 あばよっ!」


すたすたすた


ユリア 「そうは行かないわっ!
 ウェレン・アウレス・ハーウィッツ
 空間よ摩擦し熱を起こせ ヒートウェーヴ!


じゅっ


アシスト 「なっ!?」


どっぼぉおおおん


アシスト 「ごほごぼっ……ぷはっ! ユリア、てめぇっ!」

ユリア 「池が凍ったら溶かせばいだけの話じゃなぁい☆」


すたすたすた


エリーゼ 「ロウクス君っ!!!
 また町中で攻撃魔導使ったわね!?
 あれほど念を押しておいたのに……」

アシスト 「ま、待てエリーゼ、それを言ったらユリアだって……」

エリーゼ 「それは子供のいいわけですっ!」


だっだっだっ


アーク 「……アシスト、覚悟はできているな?。」

アシスト 「げ、アークまでっ!!!」

ユリア 「ウィルバーちゃんっ、よくあたしを怖い目に遭わせたわねっ!?」

アシスト 「ち、ちょっと待てお前らっ!3対1は卑怯だぞっ!」

エリーゼ 「自業自得ですっ! 蹴りぃぃぃぃっ!!!」


どごぉぉぉっ


アーク 「アシスト、覚悟っ! はっ!」


しゅっっっっ!


ユリアシェイル・ウェー・セスティリアス
 まばゆき光よ砕け散れ!
 シャイニング・イクスプロージョンっ!!!


シャアアアアアアアっ!


アシスト 「ぐはっ…………ぱたり。」

エリーゼ 「んもぅっ! よこしまなこと企むからこうなるんですっ!」

「……ところで私の有給休暇の書類は?」

ユリア 「あれ?」

アシスト 「いててて…………おや?ないな?……あれ?」

「……あのー、もしかして?」

アシスト 「どこかで落としちまったようだな。ちっ。」

「……ということは……今通ってきた道のどこかにっ!?」



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