「それでね、
みんなで将来何になりたいかの話になったんだけど、
僕だけ答えられなかったんだ……。」
「あら、どうして?」
「いままで、そんなこと考えたことなかったから……。」
「……そうね。
お父様とお母様が亡くなってから、
ずっと二人きりで一所懸命だったものね。」
「…………うん。」
「あのね、デニス。
いまはまだ無理に将来の夢を見付ける必要はないの。
運命というものは、必ず時が来たら巡ってくるものだから。」
(……運命、か。私の運命は、一体どうなっているんだろう。)
★★