Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
繁華街

街の人々で埋め尽くされる繁華街。
露天に並んだ出店には色とりどりの食べ物や食材が並び、あるいは様々な地方の特産品が並べられている。
人にとっても馬車にとっても移動しやすいこの季節、シルバニアでもっとも多くの産物が集まる時期でもある。

木陰にイーゼルを立て、なにやら考え事をしている画家がいる。
どうやら王城を描こうとしているようだ。



「はぁ……はぁ……こっちに飛んできたはずなんだけど……。」

エディソン 「ん?どうかしたんかい?
 何かお探しかね?
 かきかきかき。」

「ええ、まぁ。
 あのですね、えっと……。
 こっちの方に紙が飛んできませんでしたか?」

エディソン 「その紙というのは、真っ白な上質ケナフ紙のことかね?」

「ええ、まぁ。」

エディソン 「それでもって絵の具ののりの良い紙のことじゃな?ぺたぺたぺた」

「え?
 いえ、絵の具ののりまではわかりませんが……ってええっ!?
 ……あのー、もしかして、いま絵を描いているその紙は……」

エディソン 「ああ、さっき飛んできてのぉ。
 裏には何か文章が書かれておったが、
 表は真っ白だったんでちょいと絵を描いてみようかと。」

「それは文章が書かれている方が表なんですが……。」

エディソン 「……若いもんが気にしちゃいかんよ。」

「気にしますってば。思いっきり。」

エディソン 「ということは、この紙はお主のかね?」

「ええ、そういう……」

ユリア 「そうそう、あたしのなのー♪」

エディソン 「それはすまないことをしたなぁ。ほれ。」


ぽふっ


ユリア 「やったーっ☆
 ありがとー、おじいさんっ☆
 早速お城に戻らなきゃ……じゃねー、秘書ちゃんっ☆」

「ってああっ!私の有給休暇がっ!!!」



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