「はぁ……はぁ……こっちに飛んできたはずなんだけど……。」
「ん?どうかしたんかい?
何かお探しかね?
かきかきかき。」
「ええ、まぁ。
あのですね、えっと……。
こっちの方に紙が飛んできませんでしたか?」
「その紙というのは、真っ白な上質ケナフ紙のことかね?」
「ええ、まぁ。」
「それでもって絵の具ののりの良い紙のことじゃな?ぺたぺたぺた」
「え?
いえ、絵の具ののりまではわかりませんが……ってええっ!?
……あのー、もしかして、いま絵を描いているその紙は……」
「ああ、さっき飛んできてのぉ。
裏には何か文章が書かれておったが、
表は真っ白だったんでちょいと絵を描いてみようかと。」
「それは文章が書かれている方が表なんですが……。」
「……若いもんが気にしちゃいかんよ。」
「気にしますってば。思いっきり。」
「ということは、この紙はお主のかね?」
「ええ、そういう……」
「そうそう、あたしのなのー♪」
「それはすまないことをしたなぁ。ほれ。」
「やったーっ☆
ありがとー、おじいさんっ☆
早速お城に戻らなきゃ……じゃねー、秘書ちゃんっ☆」
「ってああっ!私の有給休暇がっ!!!」
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