Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
住宅街

南半球に存在するこの大陸では、暖かい風が北から吹き込んでくる。
春が過ぎ涼季を経たこの季節、シルバニアはほのかな暖かさに包まれる。
夏が訪れないこの地方で、今がもっとも暖かい季節なのである。

そんな暖かな日差しの中、庭の芝生でひなたぼっこをしている猫の姿も見ることができる。



ユリア 「あっ!あそこねっ!!!」

「え?ど、どこですかっ!?」

ユリア 「あの屋根の上!」

「…………あ!本当だっ!」

ユリア 「でもどうやって取ろうかしら……」


てくてくてくてく


ユリア 「あ、アークぅ♪ いいところに来たわー☆」

アーク 「あ、ジュリアさんだ。どうしたの?」

「……それはこっちの台詞なんですが。
 アークライト師団長こそ、
 屋根の上でなにやっているんです?」

アーク 「うん、それが道に迷っちゃって。仕方なくそのまま散歩してるんだ。」

ユリア 「いつものことよー。ねー☆」

「……その一言で片づけられてしまうアークライト師団長って一体。」

ユリア 「ねぇ、アークぅ、その屋根の上にある紙、とってくれる?」

アーク 「うん、この紙飛行機のこと?」

ユリア 「そそそ☆ あたしにちょーだい☆」

「いえ、あの、それ私の……」

アーク 「飛ばせばいいのかな?えいっ」


ひゅぅぅぅぅんっ


アーク 「おー、よく飛ぶねぇ、この紙飛行機。」

「って飛ばしてどうするんですかぁぁぁぁっ!!!」

ユリア 「あ、ちょっとダメじゃない、
 私の方に飛ばしてくれなきゃっ。
 紙飛行機にまで方向音痴うつしてどうするのよっ」

「……うつるんですか?方向音痴って?しかも紙に。」

アーク 「うーん、城壁の方に飛んで行っちゃった。残念。」

ユリア 「え?城壁?城壁の方?
 さんきゅー☆探しに行こうっと☆
 じゃまた後でねー☆」

「あ、ユリア師団長待ってくださいよぉぉっ!!!」



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