「ったく。なんで結局ベルなんだよ……いてててて。」
「ほら、動かないのっ!
いま傷の手当してあげるから。
はいっ。」
「いってぇぇぇぇぇぇっ!!!
……頼むからもっと優しくしてくれよ。
例えば、このあいだキスした時みたいにさ。」
「ち、ちょっと、何言ってるのよロウクスっ!」
「ロウクス、だってー☆
それにキスだって☆ ふたりともおっとなぁ☆
きゃーーー☆」
「ユ、ユリア師団長っ!」
「……な、エリー?」
「な?じゃありません、な?じゃっ!」
「……ちっ。」
「ちっ、でもなぁぁいっ! 蹴りぃぃぃぃぃっ!!!」
「ぐはぁぁぁっ!」
「もう知りませんっ!ぷいっ」
「……それはそうと残念だったな、秘書。有給休暇を奪い返せなくて。」
「しくしくしく。」
「あたし温泉旅行行こうと思ってたのにー☆ 残念ー。」
「いえ、ですから元は私の……」
「というわけで秘書、お前は今年いっぱい有給休暇なしだ。」
「そ、そんなぁぁぁぁっ!?」
「今年いっぱいと言っても、
あと二週間と少しで年が明ける。
そのぐらい我慢しろ。」
「しくしくしく。」
「うん、それでグリフィス君はどこに行ったんだい?」
「バレンタイン港に行くとか行ってたが……?」
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