「ねぇ、知ってる?
うちのおじーちゃんのプロポーズの言葉。」
「ボイス元帥の、ですか?」
「『俺のために毎日ミルククッキー作ってくれ』なんですって。
笑っちゃうわよねー、
一体いくつ食べれば気が済むと思ってんのかしら?ねぇ?」
「いえ、私に聞かれても……」
「まったく、どういう状況でプロポーズしてるんだかねー。
プロポーズっていうのはもっとこう、
真剣に言うものじゃない?」
(前の大戦の時にアークライト師団長の
『これ以上大陸を荒らされると帰り道がわからなくなるんだよっ!』
という発言に大笑いしたとか言っていたのはどこの誰だったか……。)
「え、何か言った、秘書ちゃん?」
「いいえ、なにも。」
「……はっ。」
「どうしたんです?」
「そういえば、私まだアークにプロポーズされてない……。」
「あ、あの、突然そんなこと言われても……。」
「いやー、もうすぐ30になっちゃうー!
きゃぁぁぁぁぁぁ、
い、いやーっ!」
(……精神年齢は充分若そうなんだけどなぁ。)
★★★