Forbidden Palace Library #10 舞え軽やかに


王都シルバニア
繁華街

お祭りが近いとあって、街は普段よりも多くの人で溢れている。
本来なら街路樹の前後2メートル以内に出店が規制されているはずの露店も、
この時期ばかりは多少越えていてもお咎めはないようだ。

それもそのはず。
本来なら監視する側の王立軍の兵士達も、お祭りに浮かれているのだから。

この人混みは当分止みそうにない。
そのど真ん中に、何やら怪しげな大きな紙袋が逆さになって立っている。



(ん? 繁華街の真ん中に大きな紙袋?
 目の所だけ穴がふたつ開いてる。
 ……どう考えても、不自然なんだけどなぁ。)

マルス 「…………。」

「…………。」

マルス 「……んんん。」

「…………。
 ひょっとしなくても、マルス前師団長。
 そんなところで何やってるんですか?」

マルス 「んんん、一人でかくれんぼ。」

「……楽しいですか?」

マルス 「んんん、かなり。
 秘書君も一緒にどう?
 紙袋もうひとつあるよ。」

「いえ、結構です。」
(そもそも一体どこで、
 そんな大きな紙袋を手に入れたんだろう……。)

マルス 「んんん、でも強風の日は要注意だね。飛ばされちゃう。」

「いや、人間は飛ばないかと……。
 あ、そうだ、ちょっとお伺いしたいことが。
 コペルニクス副師団長なんですが……。」

マルス 「んんん、なるほど。
 彼と一緒にかくれんぼすればいいのか。
 よーし、マルス党の活動の一環としてかくれんぼ大会ー。」


たったったっ

「どこに行ったか知りませんか……ってああ!もういない!」



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▽ 城壁へ行く
▽ 住宅街へ行く



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