(ん? 繁華街の真ん中に大きな紙袋?
目の所だけ穴がふたつ開いてる。
……どう考えても、不自然なんだけどなぁ。)
「…………。」
「…………。」
「……んんん。」
「…………。
ひょっとしなくても、マルス前師団長。
そんなところで何やってるんですか?」
「んんん、一人でかくれんぼ。」
「……楽しいですか?」
「んんん、かなり。
秘書君も一緒にどう?
紙袋もうひとつあるよ。」
「いえ、結構です。」
(そもそも一体どこで、
そんな大きな紙袋を手に入れたんだろう……。)
「んんん、でも強風の日は要注意だね。飛ばされちゃう。」
「いや、人間は飛ばないかと……。
あ、そうだ、ちょっとお伺いしたいことが。
コペルニクス副師団長なんですが……。」
「んんん、なるほど。
彼と一緒にかくれんぼすればいいのか。
よーし、マルス党の活動の一環としてかくれんぼ大会ー。」
「どこに行ったか知りませんか……ってああ!もういない!」
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