「あ、アークライト師団長。」
「えーと、謹書さん。」
「秘書ですってば。」
「十話目ぐらいになると
だんだん分かりやすいネタが
なくなってくるんだよね。」
「何の話ですか?」
「さぁ、それが僕にもさっぱり。
それでどしたの?
誰か探しているみたいだけど?」
「あ、そうだ。
アークライト師団長、散歩の途中にでも
コペルニクス副師団長見かけませんでした?」
「……うーん。
マルス君なら屋根の上で会ったよ。
のんびりぽかぽか。」
「何故屋根の上で……。」
「うん、一緒にお茶飲んだけどおいしかったよ。」
「いえ、そういう問題ではなくて。」
「お茶よりお茶菓子の方が好きなの?」
「……ちょっと話の方向ズレてます。」
「南なら、たぶんあっち。」
「そっちは北です。
南に太陽が昇るわけないじゃないですか。
ここは南半球です。」
「うん、そうかも。」
「……ってその方向でもなくて。」
「ほーう。こう?」
「………………。」
「じゃ、僕はまた散歩に戻ることにするよ。」
「ところでその散歩、いつから始めたんです?」
「えーと、一昨日ぐらい?」
「……え、ひょっとして一昨日からずっと迷いっぱなし!?」
(あ、アークライト師団長に国旗渡してもよかったのか。
でもそれだと、もっと大変なことになりそうだしなぁ。
……やっぱりコペルニクス副師団長を捜すしかないのか。)
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