「あれ、ジュリアスさん。」
「だからユリウスだってば。」
「用事があるとかで、
すぐに王都を離れなきゃいけないんじゃ
なかったんですか?」
「ああ、そうなんだけどな。
ちとジジイから陛下が行方不明とかいう話聞いちまってな。
仕方ねぇから捜索だけ手伝ってんだ。」
「親、もとい祖父孝行なんですね。」
「おい、秘書。勘違いするなよ。
俺はあのジジイの為に捜索手伝ってるんじゃないぞ。
あくまで陛下が心配だからしてるだけだ。」
「まぁ、いつもみたく、
そのままどこかで寝てるだけだと
思うんですけど……。」
「? レミィ陛下はそんなによく寝てるのか?」
「ええ。どうして今更そんなこと聞くんです?」
「……おかしいな。
王家に代々遺伝していた睡眠病は
先代で既に完治しているはずなんだがな。」
「え?」
「いや、なんでもない。こっちの話だ。
あ、そうだ、コペルニクスだったな。
さっき城壁の方に歩いていったのを見かけたぞ。」
「え、本当ですか?」
「ああ。急げば追いつくかもしれないな。」
「あ、ありがとうございます!」
■