Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
城壁

収穫の秋。街道が最も賑わい、馬車の往来が最も多い季節。
ここシルバニアも例外ではなく、国内外からの収穫物が次々と運ばれてくる。

ある荷馬車は北から南へ、またある荷馬車は南から北へ。
そしてまたある荷馬車は、この都市を終着駅として。



コペルニクス 「ちゃきーん。」

「…………。」

コペルニクス 「一つ、確認したいことがある。」

「はい?」

コペルニクス 「さっきの件だ。」

「さっきというと?」

コペルニクス 「城壁の件だ。」

「あ、城壁守備隊の顧問についてですか?」

コペルニクス 「俺様は師団長代理副師団長になっているが、
 それでも顧問代理の資格があるのか、
 答えを聞きたい。」

「うーん、どうなんでしょう。正直、私に聞かれても。」

コペルニクス 「…………。」


ちゃきーん

「いえ、あの、無言で高枝切りバサミ鳴らされると怖いんですが。」

コペルニクス 「…………。」


ちゃきーん

「わ、分かりました。ちょっと誰かに聞いてきますね。」

コペルニクス 「…………。」


ちゃきーん

(……この人、自分の家でもこんな無愛想なのかな?)



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