Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
繁華街

白銀の城壁に囲まれた都市、シルバニア。
普段はその内部へと馬車を進める事は法律で禁止されているが、
収穫季の一定期間に限り、特例として許可されている。

今は、大通りの両脇に荷馬車が溢れるという、
この都市では滅多に見られない光景が広がっている。



「そういえば、グリフィス師団長は立候補しませんでしたね。
 どうしたんですか?
 いつもなら真っ先に両手を上げそうなのに……。」

ベル 「……ん、ちょっと思うところがあってな。」

「……?
 どうしたんですか、暗い顔して。
 いつものグリフィス師団長らしくないですよ?」

ベル 「そ、そうか?」

「私がこんなことを言える立場ではないんですけど、
 グリフィス師団長はグリフィス師団長らしく生きた方が、
 輝いてると思います。」

ベル 「……俺らしく、か。」

「はい。」

ベル 「…………。」

(……なんか余計な事いっちゃったかなぁ。)

ベル 「ありがとよ、秘書。決心ついたぜ。」

(あ、しまった! また余計な事を言っちゃった。
 これ以上、自称立候補者増やしてどうするんだろう私。
 きっとややこしい方向に話が……。)

ベル 「よし、ちょっとディラックん所行ってくる。」

「え……あれ?」

ベル 「いや、俺の個人的な話さ。
 ちょっと昔なじみに預けてた物があってな。
 話つけにいってくるわ。」

「あ、はい、行ってらっしゃいませ。」


すたすたすた

(……どことなく悲しそうで、
 それでいてすごく満ち足りた顔をしていた。
 何か、あったのかな……?)



▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 住宅街へ行く



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