Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
住宅街

素肌を撫でる風が、少しずつ冷たさを研ぎ澄ます。
それの冷たさに引きずられるかのように、大空も次第に色あせて灰色へと変化してゆく。

今年初めての落ち葉が、石畳の街路を駆けぬける。



マルス 「んんん、爆発っ!」


どごぉおおおんっ!

マルス 「んんん。やっぱりコーナーの冒頭に爆発は必要だね。」

ベル 「必要じゃねぇぇぇぇっ!!!
 っていうかマルス、
 いつからお前のコーナーができた?」

マルス 「というわけでお便りのコーナー。
 『こんにちはマルス君。毎週この時間を楽しみにしています。』
 んんん、それはありがとう。」

ベル 「っていうか人のこと無視して勝手にはじめてるなよ。
 それに毎週楽しみにって今回が初めてだろうが。
 だいたい誰なんだよ、その手紙の差出人は。」

マルス 「『ところでマルス君、質問です。
  いつもどうやって爆発方法を考えているんですか?
  教えてください。P.N.エーリッヒ』さんより。」

ベル 「誰だ、エーリッヒって。」

マルス 「んん。君の叔父さんの名前さ。」

ベル 「ああ、エリックおじさん?」

マルス 「もうずっと行方不明だけどね。」

ベル 「え? なんでマルスがそんな事知ってんだ?」

マルス 「んんん、このお便りは難しい問題だね。」

ベル 「おい、聞けよ人の話。」

マルス 「お風呂に入りながら考える人もいるみたいだけど、」

ベル 「爆発の方法を?」

マルス 「マルス君的にはそれだとイマイチ集中できないんだ。んんん。」

ベル 「何を集中するんだぁぁっ!」

マルス 「そこで!今回のお勧めコーナー!」

ベル 「だから今回ってなんだ。」

マルス 「んんん。爆発に大事なのは、
 ズバリ閃光の派手さと音の大きさ!
 あ、威力はどうでもいいから。」

ベル 「いいのかよっ!」

マルス 「早速実践!ていっ!」


どごぉおおおんっ!

マルス 「んんん、また次回!」


たたたたたたっ

ベル 「けほっけほっ……。
 こらぁぁぁぁっ!!
 人に向かって爆発させるなぁぁぁぁっ!!!」



▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 繁華街へ行く

★★



▽ 書庫に戻る

OWNER
Copyright(c)1997-2007 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。