Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
中央公園

大陸の短い夏はあっという間に終わり、太陽は再び低い軌道を周りはじめる。
やがて陽光は街路樹をかすめるようになり、夜の長い冬が訪れる。

まるで木々がそのざわめきで、次なる冬の到来を出迎えているかのようだ。



ユリア 「あ、ちょうど良かった、グリフィスちゃん☆」

ベル 「おう、ユリアか。なんだ?」

ユリア 「ねぇねぇ、今ちょっと暇だったりしない?
 ものすごーく手伝って欲しい事があるんだけどー。
 じ・つ・は、力仕事なのよっ。か弱い乙女には辛くて☆」

ベル 「力仕事?何するつもりなんだ?」

ユリア 「ちょっと遅いけど、夏休みの自由工作?」

ベル 「……俺、それ一度も提出したことなかったな。」

ユリア 「あー、グリフィスちゃん悪い子ねっ☆」

ベル 「…………。」

ユリア 「あれ、どうしたの?
 今日は全然ノってこないのね。
 体調悪いの?風邪?怪我?それともお腹が頭痛?」

ベル 「いや、ちょっと考えてることがあってな。
 ……ん?
 お腹が頭痛って何かおかしくないか?」

ユリア 「気のせいよ☆
 それよりどうしたの、本当に?
 後で良ければ相談に乗るわよ?」

ベル 「おう。すまんな。」

ユリア 「あんまり思い詰めないのよー?
 何があったか知らないけど、
 人生なんて楽しんだ方が絶対得なんだから☆」

ベル 「ああ、そうだな。ありがとよ。」

ユリア 「うーん、グリフィスちゃんがダメだとすれば、
 あとは力仕事できそうなの、誰がいるかしら。
 アークは捕まりそうにないし……うーん。」


すたすたすた

(……被害が拡大しなくてよかった。)



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