Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
住宅街

素肌を撫でる風が、少しずつ冷たさを研ぎ澄ます。
それの冷たさに引きずられるかのように、大空も次第に色あせて灰色へと変化してゆく。

今年初めての落ち葉が、石畳の街路を駆けぬける。



アシスト 「ふっふっふ、この罠を店の前に仕掛けておけば……。」

ユリア 「うふふ、この罠をお店の前に仕掛けちゃえば……☆」

アシスト 「!!!」

ユリア 「!!!」

アシスト 「何やってんだ、ユリア。」

ユリア 「そっちこそ何やってるのよ、ウィルバーちゃん!」

アシスト 「ちっ、同じ手段で来るとは!」

ユリア 「先手必勝☆
 先に罠を仕掛けたモノ勝ちねっ!
 えいっ!」

アシスト 「くっ、させるかっ!!」


ガチャンっ

ガチャンっ

ユリア 「!」

アシスト 「!!」

ユリア 「ちょっと!
 ウィルバーちゃん、どうするのよ!
 お互いの罠と罠が絡まっちゃったじゃない!」

アシスト 「それはこっちのセリフだ!
 おのれユリア、俺の考えた『実験台捕獲大作戦一号』を
 いともたやすく擱坐させるとは!」

「……どうでもいいけど、もの凄く物騒な名前ですね。」

ユリア 「こうなったら、実力勝負ね。」

アシスト 「いいだろう、望む所だ。」

ユリア 「イ・ライナ・メリア
 我が足よ、大地を風の如く駆けよっ!
 ダッシュッ!」

アシスト 「イ・ライナ・メリア
 我が足よ、大地を風の如く駆けよっ!
 ダッシュッ!」


だだだだだっ

「ああっ、二人とも走って行っちゃった!
 ちょ、ちょっとこれどうするんですかー!?
 ユリア師団長、アシスト師団長ーっ!?」



▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 繁華街へ行く



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