
(…………通りの中央にゴミ箱?)
(……どう考えても不自然なんだけど、
 無視して素通りしてもいいのかな?
 どうせ中に入っているのは……。)
「んんん。」
「どうせこの人だとは思ったけど。」
「んんん。何か言った?」
「いいえ何も。」
「んんん。」
「ところでマルス前師団長、
 この辺りでアシスト師団長とユリア師団長を
 見かけませんでしたか?」
「んんん。午前中ならアシスト君に会ったけど、
 そのあとはずっとゴミ箱の中にいたから
 よく分からない。」
「…………ゴミ箱の中で何やっていたんですか?」
「一人かくれんぼ。一緒にやる?」
「い、いえ、遠慮しておきます。
 それに二人になったら
 一人かくれんぼにはならないのでは。」
「んんん。
 そいつは盲点だったね。
 じゃあ君、今から鬼やって。」
「ええっ!?」
「マルス君は隠れるからどこにいるか探してね。んんんっ!」
「ってちょっと、マルス前師団長っ!」
「……あれ!? いない?」
(今ゴミ箱の中に入ったはずなのに……。
 一体どこに消えたんだろう?)
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