Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
繁華街

白銀の城壁に囲まれた都市、シルバニア。
普段はその内部へと馬車を進める事は法律で禁止されているが、
収穫季の一定期間に限り、特例として許可されている。

今は、大通りの両脇に荷馬車が溢れるという、
この都市では滅多に見られない光景が広がっている。



(…………通りの中央にゴミ箱?)


がたがたがたっ

(……どう考えても不自然なんだけど、
 無視して素通りしてもいいのかな?
 どうせ中に入っているのは……。)


ばかんっ

マルス 「んんん。」

「どうせこの人だとは思ったけど。」

マルス 「んんん。何か言った?」

「いいえ何も。」

マルス 「んんん。」

「ところでマルス前師団長、
 この辺りでアシスト師団長とユリア師団長を
 見かけませんでしたか?」

マルス 「んんん。午前中ならアシスト君に会ったけど、
 そのあとはずっとゴミ箱の中にいたから
 よく分からない。」

「…………ゴミ箱の中で何やっていたんですか?」

マルス 「一人かくれんぼ。一緒にやる?」

「い、いえ、遠慮しておきます。
 それに二人になったら
 一人かくれんぼにはならないのでは。」

マルス 「んんん。
 そいつは盲点だったね。
 じゃあ君、今から鬼やって。」

「ええっ!?」

マルス 「マルス君は隠れるからどこにいるか探してね。んんんっ!」


ばかんっ

「ってちょっと、マルス前師団長っ!」


ばかんっ

「……あれ!? いない?」
(今ゴミ箱の中に入ったはずなのに……。
 一体どこに消えたんだろう?)



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