Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
住宅街

素肌を撫でる風が、少しずつ冷たさを研ぎ澄ます。
それの冷たさに引きずられるかのように、大空も次第に色あせて灰色へと変化してゆく。

パン屋ソフトブレッドの玄関前には、からくり仕掛けの罠らしきものが二体、放置されたままになっている。



「本当にどうするんだろう、
 この絡み合った罠と罠。
 解除するには近づかないといけないし……。」

「でも近づいたら絶対罠にかかるよなぁ、これ。」


ちゃきーん。

「え?」


ちゃきーん。

「…………この音は。」


ちゃきーん。

「……あ、あのー、ジェラード副師団長?」

コペルニクス 「……入り口に罠か。」


ちゃきーん。

ひょいっ。

「え、高枝切りバサミで遠距離から罠を……!?」

コペルニクス 「動くなら、退かせばいいだけの話だ。」


てくてくてく

からんからんっ

「……そうか、そんな基本的な手があったんだ。」



▽ …………。



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