Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
住宅街




エリーゼ 「秘書さん、そっちはどう?」

「あっちでグリフィス師団長が壁に……あ、いえ、
 今のところ何も手がかりはありません。
 でも、どうしてリングってあんなに小さいんですかね。」

エリーゼ 「昔はリングって、指に直接はめるものだったらしいわよ。
 だから、とても大切な結婚の証なのに、
 あえて小さな環の形をしているんですって。」

「え? 指に直接、ですか?」

エリーゼ 「私も聞いた話でしかないんだけれど、
 金属が地肌を覆っていると魔導詠唱が安定しないから、
 リングを首からぶら下げるようになったらしいわよ。」

「へぇ……そんな理由があったんですか。」

エリーゼ 「ロウクス君が言ってたことの受け売りだけどね。」

「エリーゼ師団長、最近ちょっとアシスト師団長に
 似てきましたよね。
 説明の仕方というか、なんというか……」

エリーゼ 「べ、べつにそんなことないわよ?
 偶然よ、偶然!
 そんなにいつも彼の話に耳を傾けているわけじゃ……」

「エリーゼ師団長?顔が赤いですけど、どうしたんです?」

エリーゼ 「な、ななんでもないわ!
 あっ、ちょっと私あっちの方探してくるわね!
 秘書さん、またあとでねっ」


たったったっ

「……?あれ、何か変な事いったかな?」



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