Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
中央公園噴水





にゃー

コペルニクス 「うむ。あの猫か」

「そうです。
 針葉樹の高いところまで登ってしまって、
 たぶん下りるに下りれなく……」


にゃー……

コペルニクス 「何故あんなに高いところにいるのだ」

「……どこかの誰かさんが、
 高枝切りバサミなんか振り回しながら
 公園の中を歩いていたからじゃないんですか?」

コペルニクス 「あれは匍匐前進というのだ」

「ああ、そうですか、ほふく……って、えっ!?」

コペルニクス 「隠密行動のはずだったのだが、おかしい」

「魔導金属の鎧を装備したまま
 高枝切りバサミを掲げて
 匍匐前進したって意味ないでしょうに」


にゃー

「あっ、そうだ、こんな事話してる場合じゃないんだ。
 あの猫を、どうにか無事に、
 掬い上げる事ってできそうですか?」

コペルニクス 「無論」


シャキーーーン!

「うわっ」


にゃっ!?

コペルニクス 「まだだ、まだ伸びるっ!」


シャキーーーン! シャキーーーン!

「……どれだけ長いんですか、それ」

コペルニクス 「どうだ、凄いだろう。
 俺様の華麗なる高枝切りバサミ。
 これぞ世界に唯一にして、」

「いいから早くあの猫を!」


にゃーっ!!!

コペルニクス 「──ゆくぞ!ツァアアアッ!!!」



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