Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
城壁から少し離れた物陰




ダリア 「あの、城壁への地下通路っていう話でしたよね。」

コペルニクス 「そうだ。何か問題が?」

ダリア 「どうして裏路地に来たんです?」

デニス 「あっ、ここ知ってる!
 ゴミ箱に隠れてる人がいるところだ!
 最近見掛けないけど……」

アリス 「デニス、そういう人に近づいてはいけません。」

コペルニクス 「マルス総統は──
 この場所を俺に託して次の地へと旅立った。
 まだ整理半ばであるが、役立つ日がこれほど早くに来ようとは。」

ダリア 「二人で一体なにをやっていたんですか?」

コペルニクス 「それはいまから分かる……ん?
 おい、貴様!
 そのゴミ箱で何をしている!」

グラン 「む、拙者でござるか?」

ダリア 「あれ、グラン大使。」

バート 「ああ、カイザリア帝国大使館の。」


ちゃきーん。

コペルニクス 「ここで何をしていた。
 答えろ。
 理由如何では、この高枝切りバサミが鳴るぞ。」

ダリア 「もう鳴らしているじゃないですか。」

グラン 「カイザリアから来た『エリック=ハミルトン』なる者の行方を追って、
 この裏路地の、この地点へと辿り着いた――と申し上げれば、
 ご理解なされるか?」

バート 「エリック=ハミルトン……?」

コペルニクス 「……そういうことか。わかった。入れ。」

ダリア 「え、入れって、どこに?」

デニス 「ゴミ箱?」

ダリア 「そんなところに入り口があるわけ──」

コペルニクス 「あるぞ。この床材を外し、更にその下の石畳を……」


パカッ

ダリア 「えええええ!?」



▽ ゴミ箱の中へ入る

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