Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
地下通路





コツン コツン

バート 「次のエリアをいったん左に曲がって、そのまままっすぐですね。」

ダリア 「……どうして都市の下に、こんなに空間と通路があるんですかね?」

バート 「確かに、
 普通はそう考えるかもしれません。
 しかし真実は逆かもしれませんよ。」

ダリア 「逆?どういうことです?」

バート 「もしもこの機構の上に、
 あとか何らかの意図を以て、
 都市が築かれたとしたら?」

ダリア 「えっ……」

バート 「そうですね。
 例えば、そこにうっすらと古代文字が残っていますが、
 お分かりになりますか?」

ダリア 「マルス――よん――てら・ふぉーみんぐ・ゆにっと?」

バート 「この場合の『マルス』は、『火星』の意味ですね。」

ダリア 「マルス元師団長の名前と、何か関係が?」

バート 「おそらく、彼もまたどこかで気付いたのでしょう。
 特にカイザリアであれば、かつてネルクスの塔が建てられた国。
 あちらでの地下遺構と繋がったとしても不思議ではありません。」

ダリア 「カイザリア?
 つまり似たようなものが、
 他の国にもあるんですか……?」

バート 「ブランドブレイ王国、カイザリア帝国、エルメキア礼法国。
 他の三大国のいずれも、
 墜ちた火星開拓船の上に築かれたのです。」

ダリア 「火星……開拓船……?」

バート 「例えば我が国では、
 シェルザワード王家の役割は
 民を統べることだけではありません――」

ダリア 「それって、どういう……?」


すぅ

ダリア 「……バートさん?」


すぅすぅ

ダリア 「寝てる……?」


すやー

ダリア 「ちょっと、こんな時になんで突然寝ちゃうんです!?」



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