「――おや、おはようございます。
確かここは……ああ、思い出しました。
あれからどれぐらい時間が経ちました?」
「えっと、まだ15分ぐらいだと思います。
というか突然寝ないでくださいよ!
びっくりするじゃないですか!」
「申し訳ありません、こういう体質なものでして……。」
「思わず息しているか確かめちゃったじゃないですか!」
「血の繋がる者も少なくなりましたが、
どうも遺伝的に強く出る場合があるようで。
私と再従姉弟はいつもそれに悩まされているのです。」
「……もしかして、それで一緒に付いてきてくれと?」
「それとも、他に理由があったほうがよかったですか?」
「そ、そういうわけではないんですが」
「本当に?」
「……たぶん。」
「うーん。
まだ少し、フラフラするようです。
その手をお借りしてもよろしいでしょうか?」
「あっ、はい。どうぞ。」
「助かります。」
「……あの、どうして恋人繋ぎなんですか?」
「えっ、はぐれないようにと思ったのですが……」
「あっ、はい。そうですね。
……あんまりどきどきさせないでくださいよ。
もう。」
「ふふっ。目的地はもうすぐのようですね。」