Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
地下通路





ぱちっ

バート 「――おや、おはようございます。
 確かここは……ああ、思い出しました。
 あれからどれぐらい時間が経ちました?」

ダリア 「えっと、まだ15分ぐらいだと思います。
 というか突然寝ないでくださいよ!
 びっくりするじゃないですか!」

バート 「申し訳ありません、こういう体質なものでして……。」

ダリア 「思わず息しているか確かめちゃったじゃないですか!」

バート 「血の繋がる者も少なくなりましたが、
 どうも遺伝的に強く出る場合があるようで。
 私と再従姉弟はいつもそれに悩まされているのです。」

ダリア 「……もしかして、それで一緒に付いてきてくれと?」

バート 「それとも、他に理由があったほうがよかったですか?」

ダリア 「そ、そういうわけではないんですが」

バート 「本当に?」

ダリア 「……たぶん。」

バート 「うーん。
 まだ少し、フラフラするようです。
 その手をお借りしてもよろしいでしょうか?」

ダリア 「あっ、はい。どうぞ。」


ぎゅっ

バート 「助かります。」

ダリア 「……あの、どうして恋人繋ぎなんですか?」

バート 「えっ、はぐれないようにと思ったのですが……」

ダリア 「あっ、はい。そうですね。
 ……あんまりどきどきさせないでくださいよ。
 もう。」

バート 「ふふっ。目的地はもうすぐのようですね。」



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