Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
ゴミ箱の下の隠れ家




デニス 「あ、おかえりー。」

アリス 「無事に合流できたようですね。」

アシスト 「……なあ、さっきの通路、
 壁面の材質が普通の魔導金属とは違う感じだったが、
 なんなんだあれ?」

バート 「まぁまぁ、それは全て落ち着いたら。」

ダリア 「あれ、グラン大使とコペルニクス師団長は?」

デニス 「うん、それがさっきゴミ箱の中に
 こんなビラが落ちてきて、
 いま少し外の様子を見に行ってるよー。」

ダリア 「ビラ?」

アシスト 「何て書いてあるんだ?」

エリーゼ 「……戒厳令は発せられた……
 王立軍レナード=セルシウス将軍は逮捕……
 ……王室に代わり救国評議会が臨時政府として……」

ダリア 「えっ、どういうことなんです?!」

アシスト 「救国評議会?なんだそれ?」

エリーゼ 「エンディルとの戦争は終わったから、
 軍縮すべきだっていう声があるのは知ってる?
 世間では共和派なんて言われているけれど……」

アシスト 「ああ、ボイスが将軍を退いて宰相になったのも、
 裏ではその辺りの事情が関係してる、
 っていう話は聞いたな。」

バート 「その救国委員会と、
 共和派が同一の存在であるかどうかは
 まだ断定できませんが……。」

アリス 「レナードさんを捕えた不届き者、ということですね!」

ダリア 「アリスさん、落ち着いて落ち着いて。」

バート 「それで、ウィルバーさん。
 貴方をここに連れてきた理由でもあるのですが、
 魔導金属の壁を一瞬で破壊する方法はご存じないですか?」

アシスト 「一瞬……一瞬か……。
 融解魔導の出力を上げることはできるが、
 それでも液化させるまでにどうしても時間がかかるな……。」

エリーゼ 「悠長なことをしていると、その間に見付かってしまうわね。」

アリス 「そんな……。」

アシスト 「エルネストか、あるいは魔導金属リルの発明者本人でも存命ならば、
 何か裏技的な方法があるかも知れないが……。
 ……俺の仇とは言え、聞き出しておくべきだったな。」

バート 「猫の手も借りたい、というわけですか。」

ダリア 「魔導金属リル……猫の手……。」

アシスト 「どうした、秘書?何かアイディアでも?」

ダリア 「……解決策、あるかもしれません。」



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