Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
中央公園




ダリア 「……あの、ですね。」

バート 「はい、なんでしょうダリアさん。」

ダリア 「どうして今度は腕を組んでいるのでしょうか、私達。」

バート 「カモフラージュのためにも恋人同士のふりをした方が良いと、
 アリスさんの的確なアドバイスに従ったのですが。
 私がお相手ではご不満でしたか?」

ダリア 「あ、いえ、違うんです、そういうわけじゃなくて、
 えーとですね、あの、その、こういうのは両親で見慣れているけど
 自分がそうなるのは慣れていないというか……」


ぎゅっ

ダリア 「あっ、あの、バートさん――?」


ぐらりっ

ダリア 「えっ?」

バート 「くっ……こんな時に……」

ダリア 「バートさん?
 え、ちょっと、どうしたんですか?
 ひょっとしてまたですか!?」

バート 「これは遺伝的な……体質で……」

ダリア 「遺伝?」

バート 「少し寝たら……すぐに……起き……」

ダリア 「寝たら!?こんなところで!?」


すぅ

ダリア 「バートさん!?ちょっと、バートさん!!」


すぅ すぅ

ダリア 「……もう、寝息を立てている……。」


すやぁ

ダリア 「……仕方ありませんね。
 そこのベンチで、少し休みましょうか。
 ちょっとだけ、ですよ?」



▽ そして十五分後

▽ 書庫に戻る
OWNER
Copyright(c)1997-2022 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。