Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
中央公園





ぱちっ

ダリア 「あっ!目が覚めました?」

バート 「……ダリアさん、どうして貴方の顔が横向きに?
 ああ……また私が寝ていたのですね。
 それにこの感触は……。」

ダリア 「ハンカチだけだと血行が良くないかなー
 ……と思って。
 あの、あんまり寝心地よくなかったらすいません。」

バート 「いいえ。
 とても心地よい夢見だったのは、
 貴方の膝枕だったんですね。」

ダリア 「わ、わざわざ言われると恥ずかしいんですけど……。」

バート 「どなたか、通りかかったりは?」

ダリア 「えっと、巡回の兵士が二人ほど通り過ぎましたが、
 ふたりとも親指を立てて、そのまま去って行きましたよ。
 なんなんですかね、あれ。」

バート 「結果的に見逃されたようですね。
 お陰で眠気もとれました。
 では、行きましょうか。」


むくっ

ダリア 「あの、そっちは噴水の中ですよ!?
 ひょっとして、まだ寝ぼけてます?
 バートさん!?」

バート 「いいえ、しっかりと起きていますので、
 ご安心ください。
 確か、開閉レバーは……ここでしたね。」


ゴゴゴゴゴ

ダリア 「!? 噴水が沈んでいく!?」

バート 「この下に秘密の隠し階段があるのですよ。
 ここから出ることは想定していても、
 まさか逆に入ることになろうとは考えてもいませんでしたが。」

ダリア 「……あれ、もしかして、
 以前にマルス前師団長が、
 この噴水に悪戯を仕掛けていたのは……」

バート 「ああ、あの爆発音の一件ですか。
 ……もしかすると、ここの秘密を探っていたのかもしれませんね。
 この仕掛けまでは解けなかったことを願いたいのですが。」

ダリア 「バートさん、貴方は一体……。」

バート 「さあ、先を急ぎますよ、ダリアさん。」

ダリア 「あ、はい。」



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