Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
王城3階 作戦会議室




ダリア 「……行っちゃいましたね。」

エセルベルト 「カーテンの向こうがどこに繋がっていたのか、
 純粋に興味はありますが、
 知らない方がよいのでしょう。」

ダリア 「これで全て、終わったんですかね。」

エセルベルト 「そうですね……いえ、まだ一番大切な事が残っていました。」

ダリア 「え、なんですか?」

エセルベルト 「ダリアさん、私と付き合っていただきたいのですが。」

ダリア 「あっ、はい。今度はどちらへ行かれるおつもりです?」

エセルベルト 「……いえ、そういう意味ではなくてですね。」

ダリア 「???」

エセルベルト 「わかりました。
 一番分かりやすい言葉でお伝えしましょう。
 ……少しだけ、勇気をいただけますか。」

ダリア 「あれだけ勇気がある人が、何を言ってるんですか……。」

エセルベルト 「それとこれとは別です。
 ……よし。覚悟はできました。
 ダリアさん。」

ダリア 「はい?」

エセルベルト 「貴方のことが、ずっと気になっていました。
 私の恋人として――
 付き合っていただけませんか?」

ダリア 「こい……び……えええええ!?」

エセルベルト 「はい。恋人として、です。」

ダリア 「あの、バートさん。いえ、エセルベルト殿下!?」

エセルベルト 「いままで通り、バートで結構ですよ。
 自分の名前も古風なエセルベルトより、
 エセルバートという読み方のほうが好きですから。」

ダリア 「あっはい。バートさん。
 えっと……その……。
 今日から、この国の王様なんですよね?」

エセルベルト 「はい。そういうことになりますね。」

ダリア 「それで、あの付き合うということは……。」

エセルベルト 「将来的なパートナーとして、という意味で考えていただいて結構です。」

ダリア 「えっと、つまり……。」

エセルベルト 「未来のシルバニア王妃に、なっていただけませんか?」

ダリア 「……あの……
 …………えっと。
 ……はい。よろしく、お願い、します。」



▽ そして、時は流れ……。

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