「話は変わるが、
メルフィア君。
この図面に見覚えはないかね?」
「図面……?
……――!!!
ちょっと待って、それはっ!」
「そう。君の父親が書いたものだ。」
「どうして、どうしてここに!
それは10年前にアトリエから無くなったのよ!
持って行ったのはパパじゃなかったの!?」
「持ち出したのが君の父親でないとすれば、
他にそう心当たりは多くあるまい。
君も薄々犯人に気づいていたはずだ。」
「――ヴェン、どこまで私達を裏切れば気が済むの……っ!」
「とにかく、この計画は既に完成の域に近づいていてね。」
「!」
「いや、もう殆ど完成していると
言っても過言ではあるまい。
そう、この『殆ど』というのが実に厄介な問題だ。」
「……?」
「我々が入手したこの設計図は、肝心の一部分が欠けていてね。
どうしてもそこの図面がなければ成り立たない。
とすれば、それを探すしかあるまいて。」
「幸いにして、心当たりのある場所はそう多くない。
あるとすれば……そう、
彼のいたアトリエぐらいしか残っていない。」
「まさか、そのために私を――っ!
理由を見付けて呼び出したの!?
本当の目的は――!!!」
「もう遅い。今頃残りの図面は見付かっているはずだ。」
「……許せない。」
「ならばどうする? 今のお前にできることは何も……」
「――シャラン・リィ・エリウクセス。」
「うん?」
「さやかなる輝きよ、散れ!」
「!!! 待て、ここは礼と法の支配する――」
「遅い!!! シャイニングダスト!!!」
「ぐぁあああっ!?」
「に、逃げたぞっ! 誰か、誰か追えっ!」