『いつの日か、きっと』
「んんん。話は聞いているよん。
君たちが街の子供を守ってくれたんだって?
このマルス君から師団長として礼を一言。ありがとう。」
「いやぁ、そんな。」
「だから調子に乗るな、グリフィス。」
「んんん。これ、その子供からプレゼントだって。」
「花束? あれ、さっきの少女が摘んでたやつじゃなかったか、これ?」
「んんん。助けてくれたお礼に渡してくれと頼まれてね。」
「いやぁ、そお?参るなぁ。」
「だから調子に乗るなって言ってるだろ、グリフィス。」
「……わかったよ、レィディ。」
「申し訳有りません、うちの相棒、口のきき方が悪くて……。
私はレィディ。こっちがグリフィス。
共に傭兵として大陸を渡り歩いており、この町で仕事を探そうかと……。」
「普段と口調がぜんぜん違うぞ、レィディ……」
「い、痛ってぇぇぇぇぇっ!」
「んんん。
なら丁度いいや。
君たち、今からシルバニア王立軍第6師団の臨時兵士ね。」
「…………はぁっ!?」
「マルス師団長様?」
「んんん。仕事探してるなら、マルス君の部下になって。」
「つまり、傭兵として俺達を雇うってことか?」
「んんん。そゆこと。」
「…………」
「んんん。何か不満でも?ああ、お金ならちゃんと出せるよん。」
「いや、不満はねぇけどよ、いきなりそんなこと決めちまっていいのか?」
「んんん。おっけーおっけー。
マルス君師団長だし。
それに君たちなら信用できるだろうからね。うん。」
「……いいのか、そんな簡単に?」
「いいじゃないか、グリフィス。
雇ってくれるというんだから。
では以後よろしくお願い致します、マルス師団長様。」
「んんん。こちらこそ。」
「やっぱり普段と偉い口調が違うぞ、レィディ……」
「い、痛ってぇぇぇぇぇっ!」