『いつの日か、きっと』
「……なあ、レィディ。」
「なんだい、グリフィス?」
「ここ10日ほどずっと考えていたんだけどよ、
あの師団長、よほどの大物かよほどの馬鹿者だと思うんだが、
お前はどっちだと思う?」
「まぁ確かに、普通の師団長なら作戦会議に雇われ傭兵を招いたりはしないね。」
「で、どっちだと思う?」
「アンタはどっちだと思うんだい?」
「なんとなく俺、あいつに親近感を憶えるんだ。だからよほどの大……」
「ってことはよほどの大馬鹿者だね。」
「っておい、レィディ!」
「んんん。遅くなってごめん。
ん?
……何か揉め事中?出直そうか?」
「いえ、なんでもございません。
こっちの話です。
ところでエンディル達ですが、次の動きはいつ頃になると……」
「んんん。予測する限りじゃ、今日か明日だと思う。」
「……3日前もそんな事言っていなかったか?」
「んんん。内緒。」
「他国の状況はどのようになっているのです?」
「んんん。ゾロディエールと名乗る奴が率いるグループは、
ブランドブレイ王国で一戦を交えた後、今度はカイザリアの帝都に侵攻中の模様。
ゼルイリアスと名乗る奴のグループは、残念ながらここ数日消息不明だ。」
「そして、リーダー名の分からない最後の1グループが、ここバレンタイン港を襲撃。
……そう言えばエンディル達、常に3グループで動いているみたいですね。
もしかするとそれ以上のグループ数では行動出来ない可能性もあるのでは……。」
「ゼルイリアス?
ち、ちょっと待てよ。
300年前の大戦の時も同じ名前の奴がいなかったか?」
「んんん。よく気付いたね。
でも同一人物かどうかは不明。
エンディルの寿命が相当長いとすれば、あり得る話だとは思うけど……。」
「伝令!
バレンタイン港東部の草原に紫電を確認!
おそらく前回と同一の部隊だと思われます!」
「!!!」
「!!!」
「現在、バレンタイン港の我が軍と合流するために進軍中の 第1師団及び第3師団が現地へ直行中! 我が第6師団も出陣準備は調っています!」
「んんん、来たかっ!総員、出撃っ!」
「おうっ!」