Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『いつの日か、きっと』




バレンタイン港中央・軍舎前

ベル 「ちっ!敵味方が入り乱れていやがるっ!」

ユリア 「マルスちゃんはこっちに向かっているのかしら?」

レィディ 「だとしても、道路という道路がこう戦闘状態じゃここに来るまでどれだけかかるか……。」

兵士 「伝令!王都シルバニアへも敵侵攻中の模様!」

アークライト 「うん、王都に!?向こうの状況は?」

兵士 「詳細は不明です!
 未確認ですが、一人の魔導師が城壁の前でエンディルの侵攻を
 くい止めているという情報も入っております!」

ユリア 「一人で!?魔導師がっ!?」

レィディ 「他の戦況がどうであれ、アタイ達は今ここで全力を尽くすしかない。」

ユリア 「……そうね。バレンタイン港、ここを守らなければ王都への食物の流通は半減するわ。」

エンディル兵

「FERTYOO WKEFP WKP UUOPQMN KVWEA CAB !」


アークライト 「ジュリアさん、あぶないっ!」


だんっ!

ユリア 「ア、アークライト……」

アークライト 「つぁっ!失せろっ!」


ざしゅっ!

エンディル兵

「RYE .... ZAG ....」


ベル 「……凄ぇ腕前……一撃で……」

アークライト 「……ジュリアさん、ごめんなさい。」

ユリア 「……どうして。
 どうしてアークライトが謝るのよ……。
 助けて貰ったのは私じゃない……。」

アークライト 「いえ、半径5メートル以内に近づいちゃったから……。」

ユリア 「……馬鹿。」

アークライト 「ジュリアさん?一体何を顔赤くしているんですか?」

ユリア 「……恥ずかしいのよ。」

アークライト 「うん?」

ユリア 「気がついたらアークライトの事を……
 幼なじみじゃなくて一人の男性として意識してて、
 側にいるとなんか恥ずかしくなってくるからいやだったのよっ!」

アークライト 「……それって、僕を好きって事ですか?」

ユリア 「馬鹿っ!そんな露骨に言わないでよっ!」

アークライト 「……ジュリアさん、耳まで真っ赤。」

ユリア 「う、うるさいわねっ!」

アークライト 「……僕、ずっとジュリアさんに嫌われていると思ってました。」

ユリア 「違うのよ。
 素直になろうとすればするほど……
 心で思っていることとは正反対のことばかり口に出てきて。くすん……くすん……」

アークライト 「……今は、素直なんですね。」

ユリア 「だって……仕方ないじゃない。
 私の気持ち、ずっとかくしてたのにバレちゃったもの……。
 ……アークライトはどう思っているのよ?」

アークライト 「後で、答えます。
 ですから今はその事を忘れて下さい。
 僕たちにはまだやることがありますからね……。」

ベル 「その通り。
 悪いがお二人さん、状況はあまり芳しくないようだぜ。
 これだけ敵味方が入り乱れているからな……」

レィディ 「完全にアタイらはフイを突かれたわけだからね」

ベル 「おい、向こうの曲がり角からまたエンディルが来るぞっ!」


どごぉぉぉぉん

レィディ 「爆発っ!?」

ベル 「あっ!マルスっ!」

ユリア 「いたっ!屋根の上っ!?」

ベル 「……何やってんだ、あんなところで?」

マルス 「んんんっ!
 ここはマルス君が引き受けよう。
 君たち4人は敵のリーダーを探してくれっ!」

ユリア 「……わかったわ。」

ベル 「マルス、後は頼んだぞっ!」

マルス 「んんんっ!この両手の試験管にかけてっ!」

ベル 「……よ、よくわからんが後はまかせたっ!」

アークライト 「うん、行こうっ!」

マルス 「……んんんっ!これで心おきなく爆発がおこせるっ!」


どごぉぉぉぉぉぉん


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