『終わらない夢の果てに』
「お父さん! お母さんっ!」
「アリス……すまない……私のせいでお前達までこんな目に……。」
「しっかりしてっ!ねぇっ!」
「とうちゃんっ! かぁちゃんっ!」
「……デニス……いいか、
これからなにがあってもアリスに……お前の姉について行け。
いまからアリスが、お前の親代わりだ……。」
「とうちゃんっ!」
「……頼んだぞ、アリス。
いいか、シルバニアの祖父の所へ行け……。
病気を患ってもう長くはないが、お前に残された唯一の肉親だ……」
「お父さん…………。
どうして、
どうしてお父さんがこんなことにっ!」
「それが戦争というものだ。」
「!!! ……だからって……そんなの理由じゃないわよっ!」
「少女よ、御主の親は騎士団長として
ブランドブレイ7月騎士団を率い我々に抵抗した。
これはその報いだ。」
「…………こんなことになるぐらいなら、
没落した騎士団長なんてやめていればよかったのよ!
もう名誉以外なにも残っていなかったんだから!」
「すまない……アリス……。」
「お父さんっ!!!」
「とうちゃんっ!」
「死んだか。」
「なんで……こんなことに…………。」
「……今更悔いたところでもう遅いだろう。
少女と少年よ、御主らもついでだ。
すぐに父と母の元を追わせてやろう。」
「!」
「!!」
「ねぇちゃん…………。」
「デニス…………しっかりつかまっているのよ。」
「うん……。」
「覚悟はできたみたいだな。ならば――――」
「そこまでだ!」
「そうはさせないぞ、ゾロディエール!」
「――誰だっ!?」
「俺様はジェラード。 ジェラード=コペルニクス。」