Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『終わらない夢の果てに』



ジェラード 「俺様はジェラード。 ジェラード=コペルニクス。」


ざっ


ジェラード 「この姉弟を倒すというのなら、俺がこの子らの盾になる。」

ゾロディエール 「ほう、勇敢にも子供を庇いに来たのか。
 だがその勇ましさも御主の武器と共に……
 …………待て、それは、武器なのか?」

ジェラード 「ちゃきーん。」

ゾロディエール 「……持つ武器を、間違えていないか?」

ジェラード 「いや、これでいい。」

ゾロディエール 「剣でも槍でもなく、その長いハサミでか?」

ジェラード 「そうだ。ちゃきーん。」

ゾロディエール 「…………はっはっは、それは傑作だ。」

ジェラード 「なにがおかしい?」

ゾロディエール 「そんな道具で戦いに赴くとはな。笑いが止まらないな。」

ジェラード 「戦いにきたわけではない。
 ――戦争など無益だ。血を流したところで何の得にもならない。
 それを伝えに来た。」

ゾロディエール 「……平和を説きに来たというのか?
 その道具を片手に?
 …………滑稽な奴だ、御主は。
 だがそれに免じて今回だけは見逃してやろう。」

ジェラード 「待て、ゾロディエールっ!!!」

ゾロディエール 「追いかけてきたければ、勝手に追いかけてくればいい。
 どうしてもというならば手前が相手をしてやろう。
 だが今の私は与えられた計画を遂行しなければならない。
 そう、魔導文明の殲滅という使命を。」

ジェラード 「……殲滅?魔導文明に恨みでもあるというのか?」

ゾロディエール 「ああ、山ほどな。
 ……ここでの戦果は予定通りだ。
 次の目的地に向かうとしよう。」

ジェラード 「待て!!!」

ゾロディエール 「……その男のお陰で命拾いをしたな、少女と少年よ。」

デニス 「!」

アリス 「!!」

ゾロディエール

「RI HERELL I... OM KEVEES O... !」


ひゅんっ


ジェラード 「消えた…………?。」

アリス 「……あっ!
 お父さんっ、お母さんっ!
 ねぇ、ねぇってば!」


…………。


ジェラード 「……ダメだ、もう既に息はない。」

デニス 「とうちゃん、かあちゃんっ!」

アリス 「そんな……どうして…………。」

ジェラード 「……………………。」


▽ ……。



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