『終わらない夢の果てに』
「俺様はジェラード。 ジェラード=コペルニクス。」
「この姉弟を倒すというのなら、俺がこの子らの盾になる。」
「ほう、勇敢にも子供を庇いに来たのか。
だがその勇ましさも御主の武器と共に……
…………待て、それは、武器なのか?」
「ちゃきーん。」
「……持つ武器を、間違えていないか?」
「いや、これでいい。」
「剣でも槍でもなく、その長いハサミでか?」
「そうだ。ちゃきーん。」
「…………はっはっは、それは傑作だ。」
「なにがおかしい?」
「そんな道具で戦いに赴くとはな。笑いが止まらないな。」
「戦いにきたわけではない。
――戦争など無益だ。血を流したところで何の得にもならない。
それを伝えに来た。」
「……平和を説きに来たというのか?
その道具を片手に?
…………滑稽な奴だ、御主は。
だがそれに免じて今回だけは見逃してやろう。」
「待て、ゾロディエールっ!!!」
「追いかけてきたければ、勝手に追いかけてくればいい。
どうしてもというならば手前が相手をしてやろう。
だが今の私は与えられた計画を遂行しなければならない。
そう、魔導文明の殲滅という使命を。」
「……殲滅?魔導文明に恨みでもあるというのか?」
「ああ、山ほどな。
……ここでの戦果は予定通りだ。
次の目的地に向かうとしよう。」
「待て!!!」
「……その男のお陰で命拾いをしたな、少女と少年よ。」
「!」
「!!」
OM KEVEES O... !」
「消えた…………?。」
「……あっ!
お父さんっ、お母さんっ!
ねぇ、ねぇってば!」
「……ダメだ、もう既に息はない。」
「とうちゃん、かあちゃんっ!」
「そんな……どうして…………。」
「……………………。」