『終わらない夢の果てに』
「血迷ったの、ゾロディエール!?」
「血迷ってなどいない。
例え人類から魔導を取り除いても、それは一時的なものにすぎない。
人がその体内に理力を有する限り、魔導の再発見はいくらでもあり得る。」
「なれば、
人そのものを滅ぼせばよいだけのことではないか。
その方が世界自身の為だ。」
「……何を言っているの、一体!?」
「こんな簡単なことに今まで気づけなかったとは。
……人が世界にとって有害である以上、
除去するのが手前の役目だと。」
「ゾロディエール!
あなた何様なのよっ!?
神にでもなったつもり!?」
「……手前はかつて、神など信じていなかった。
だが、今だからこそ理解できる。
世界には、調整者が必要なのだ、
それが神と呼ばれる存在だとしても。」
「……狂っているわ。
例え貴方の言う通りだとしても、
生きている存在が神になれるはずないわ。
それはただの神という名の権力に過ぎないわ。」
「神は人間の味方ではない。
世界の秩序のみを模索し、邪魔な存在は抹消する。
それが真の役割。」
「…………もう、狂った思考は戻らないということね。」
「……やってみろ。」
「え?」
「なんだと?」
「消してみろよ、
まずこの俺様から。
貴様という名の神に抵抗する俺様を!」