『終わらない夢の果てに』
「消してみろよ、
まずこの俺様から。
貴様という名の神に抵抗する俺様を!」
「ジェラード!!!」
「よかろう。ならば望み通り御主から消してやろう。」
「………………。」
「ほぅ、光の衝撃波を黙って耐えるとは。
だが、二度三度と
同じようにはいくまい。」
「………………。」
「どうして、ただ突っ立っているのよ!?
そのままじゃ死ぬわよっ!?
ジェラード!!!」
「………………。」
「……なかなか強い精神力を持っているな。
それももうじき終わりだ。
手加減はおしまいだ。苦しみ叫ぶがいい。」
「……その程度か、ゾロディエール?」
「なにっ!?」
「また血がっ…………!
この間治ったばかりなのに!
どうして、どうして抵抗しないのよっ!!!」
「どうした、もっとかかってこい。」
「くっ!」
「…………………………。」
「何を笑っている。
その笑いには、声すら出さない笑いには何の意味があるのだ!?
怖くないと言うのかっ!?死ぬことがっ!?」
「……怖い?
何に対して畏怖するというのだ?
自分に憂いさえなければ、怖がる必要などどこにもない。」
「何故だ!?
何故、ただの人間であるお前がそこまで
不敵に笑い続けることが出来るというのだっ!?
血塗れになってなお無抵抗でいられるというのかっ!?」
「それは俺様が人間だからだ。」
「なんだと?」
「貴様のように、はなっから全てを諦めてなどいないからな。」
「…………何?」
「死ぬことが怖くないのではなく、
生きる喜びを知っているからだ。
命あることのうれしさを。」
「それだけの理由で不敵に笑い続けることができるというのかっ!?」
「それだけの理由?
生きる理由はそれだけで充分だ。
……俺様も、本気で行かせてもらおう。」
「なんだと?」
「俺様は信じる、自分の道を!
決意はついた――ゾロディエール。
俺は、お前を斃す。」