Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『終わらない夢の果てに』



ジェラード 「消してみろよ、
 まずこの俺様から。
 貴様という名の神に抵抗する俺様を!」

アートレーゼ 「ジェラード!!!」

ゾロディエール 「よかろう。ならば望み通り御主から消してやろう。」


ばしゅうううっ!


ジェラード 「………………。」

ゾロディエール 「ほぅ、光の衝撃波を黙って耐えるとは。
 だが、二度三度と
 同じようにはいくまい。」


ばしゅうううっ ばしゅうううっ!


ジェラード 「………………。」

アートレーゼ 「どうして、ただ突っ立っているのよ!?
 そのままじゃ死ぬわよっ!?
 ジェラード!!!」

ジェラード 「………………。」

ゾロディエール 「……なかなか強い精神力を持っているな。
 それももうじき終わりだ。
 手加減はおしまいだ。苦しみ叫ぶがいい。」


ばしゅうううううっ!


ジェラード 「……その程度か、ゾロディエール?」

ゾロディエール 「なにっ!?」


つつつーーーーっ


アートレーゼ 「また血がっ…………!
 この間治ったばかりなのに!
 どうして、どうして抵抗しないのよっ!!!」

ジェラード 「どうした、もっとかかってこい。」

ゾロディエール 「くっ!」


ばしゅううううっ ばしゅううううっ ばしゅううううっ!


ジェラード 「…………………………。」

ゾロディエール 「何を笑っている。
 その笑いには、声すら出さない笑いには何の意味があるのだ!?
 怖くないと言うのかっ!?死ぬことがっ!?」

ジェラード 「……怖い?
 何に対して畏怖するというのだ?
 自分に憂いさえなければ、怖がる必要などどこにもない。」

ゾロディエール 「何故だ!?
 何故、ただの人間であるお前がそこまで
 不敵に笑い続けることが出来るというのだっ!?
 血塗れになってなお無抵抗でいられるというのかっ!?」

ジェラード 「それは俺様が人間だからだ。」

ゾロディエール 「なんだと?」

ジェラード 「貴様のように、はなっから全てを諦めてなどいないからな。」

ゾロディエール 「…………何?」

ジェラード 「死ぬことが怖くないのではなく、
 生きる喜びを知っているからだ。
 命あることのうれしさを。」

ゾロディエール 「それだけの理由で不敵に笑い続けることができるというのかっ!?」

ジェラード 「それだけの理由?
 生きる理由はそれだけで充分だ。
 ……俺様も、本気で行かせてもらおう。」

ゾロディエール 「なんだと?」

ジェラード 「俺様は信じる、自分の道を!
 決意はついた――ゾロディエール。
 俺は、お前を(たお)す。」


▽ ……。



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