『真実の継承者(後編)』
シルバニア王国 シルバニアの森 王都の周囲に果てしなく広がる大森林。 この森は国名と同じく『シルバニア』の名を冠している。 もっとも国名が先か森の名が先か、その真実については伝承されていないが。 |
「はっ!!!」
「!!! 早いっ!」
「俺の槍さばきをなめるなよ! はっ!」
「くっ!」
「間合いを離したか。だがそこからどうやって攻撃する気だ?」
「…………。」
「それとも立ち止まったまま覚悟でも決めたのか?」
「来いよ、ゼルイリアス!」
「……はっ!!!」
「西星ロウクスよ、我に力を!」
「!」
「……ガレス・ディ・ゼクトゥレス
凝縮せし風よ 欠けろ!
スチームイクスプロージョン!!!」
「がはぁぁぁっ!」
「……ぐっ……。」
「月ではなく星の魔力を借り、
そして至近距離での爆発……
なるほど、
その鎧は自分への被害を食い止めるための鎧、か。」
「ああ、そういうこった。
一歩間違えば首を落とされているところだったが、
人間じゃねぇお前に勝つにはこれしか手段がなかったからな。」
「まさか我が、自らを守るために腕を一本傷つけることになってしまうとはな……」
「…………。」
「人間にここまでやられるとは正直思っても見なかったよ。
……二度も俺を負かすとはな。
仕方ない。
今回もまた引き上げるしかねぇな。」
「ゼルイリアス…………。」
「俺を負かしたんだ、
はっきりと教えてやるよ。
いまより300年後、再び世界の扉が開くとき
我らは再び訪れる。」
「また滅ぼしに来るのか?」
「勘違いするな。
人間に恨みはない、
魔導文明を滅ぼしに来るだけだと。
……俺達だって昔は人間だったのだからな。」
「!? なんだって?」
「終焉を迎えたか、そしてそれを乗り越えたかの違いがあるだけだ。」
「……エンディル、お前達は何者なんだっ!?」
「エンディル……終焉の者達。」
「!? どういう意味だっ!?」
「答え合わせは更に300年後だ。
それまでに考えておくがいい。
次は我らが王バルセザリアール様と共に来る。
さらばだ、賢き青年よ。」
「まて、ゼルイリアス!」
FE KVWE... !」
「消えた……これで、全てが終わったのか?」