「さぁ。それが僕にもさっぱり。」
「……何それ、アークの真似?」
「まぁ一応。」
「……あんまり似てないわよ。」
「しくしくしく。」
「そうそう、知ってる?
アークってねぇ、実は一カ所だけ迷わずに行ける場所があるのよ。
どこだと思う?」
「え?うーん……自分の家、ですか?」
「ぴんぽーん☆
すっごーい、よくわかったわねぇ☆
誰かから聞いたの?」
「いえ、そういうわけではないんですけど……。
ただなんとなく。」
(っていうか流石に自分の家にぐらい帰れないと……ねぇ。)
それが傑作なことに煙突の中にいたのよぉ☆
勝手口に行こうとして煙突に迷い込むのってアークぐらいよねぇ。」
「はあ……。」
「そういえばこのあいだエリーゼちゃんとウィルバーちゃんと一緒にお茶のみに行ったんだけどね、
エリーゼちゃったら緊張しちゃってかわいいのぉ☆
あれ、絶対ウィルバーちゃんに気があるのよねえ☆もう健気ねぇ☆」
「さいですか……。」
「あ、そろそろ夕方になるからあたし帰るわね。
あたし夜って大嫌いなの。だって暗いでしょ?
そうよ、なんで夜なんかあるのよ。世の中昼だけでいいのよっ!」
「いや、私に言われても……。」
「あ、本当に早くしないと日が暮れちゃう。じゃねえ☆」
(……しかし、本当によく喋る人だなぁ。)
▽城壁へ行く
▽パン屋さんへ行く