Forbidden Palace Library #03 花束を彼女に


王都シルバニア
住宅街

大通りから少し離れた区域に広がる住宅街。
繁華街から入ってくると路地が狭く感じられるが、それでも他の都市に比べれば充分な道幅を有している。これは戦時の行軍を考慮しての径だと言われている。
もっとも当の住人らにはそのような意識などなく、広い路肩は荷物置き場として使われてしまっているのが現状である。


「あ、そういえば前から気になっていたんですけど、
 レナード師団長がシルバニア出身でないっていう噂、
 あれ本当なんですか?」

アシスト 「ああ、なんでもフェーゴ共和国に
 本当の肉親がいると、以前本人から聞いた憶えがある。
 十代の頃、養子縁組か何かでこっちにいる親戚に引き取られたとかなんとか。」

「あ、そうだったんですか。」

アシスト 「正確な地名はうろ覚えだが、養子というのは間違いなかったはずだ。」

「しかしアシスト師団長。
 自分から聞いといてこんな事言うのもなんですが、
 よくそんな事まで覚えてますね。」

アシスト 「ああ。人の過去ってのは何かの時に弱みとして使える事が多いからな。」

(……絶対に私の過去は内緒にしておこう。)


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