Forbidden Palace Library #04 彷徨いし来客


王都シルバニア
中央公園

夏は若々しい緑に覆われるこの公園も、冬となれば白亜に染まる。
ここシルバニアは高緯度に位置しているため、多量の雪が降るのである。

林の中から子供達のはしゃぐ声が聞こえてくる。
どうやら木々の幹を盾として雪合戦に興じているようだ。

雪化粧を施された木々の下、一匹の黒猫が小さな足跡をぺたぺたと付けながらこちらへと歩いてくる。


(この猫、いつもこの辺りうろうろしてるよなぁ。
 雪の上を裸足で歩いて、霜焼けとかにならないのかな?
 ……まぁ、猫が靴下はいて歩いていたら、それはそれで変かもしれないけど。)



たったった……


どんっ!


「わっ、おっとっと。」

少年 「あ、ごめんよっ!大丈夫?」

「え、ええ。でも危ないから走っちゃいけないよ?」

少年 「うん。じゃあまたねー☆」



たったった……


「……だから走っちゃいけないって……子供って元気だなぁ。」


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