王都シルバニア
中央公園
雪雲という名の季節の渡航者が落としていく白い粉は美しく、そして儚い。
その美しさに惹かれるかのように子供達は天を仰ぎ見、そしてその冬の落とし子を口にしようとするが、白い結晶はすぐに姿を消してしまう。
一人の少年が、より高いところで雪を口にしようと凍り付いた噴水の上へとよじ登っている。
(あの男の子、噴水の上ではしゃいでいるけど
間違って氷が割れて池の中に落ちたりしないかな……。
まあ大した深さないから大丈夫だと思うけど……でもちょっと心配。)
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