王都シルバニア
城壁
雪は城壁の上にも積もる。
その白き壁の上で周囲を監視する兵士達とは別に、臨時に出動命令を出された兵士達がスコップを手に必死に雪を下ろしている。
城壁から下ろされる雪の粉をかぶったのであろうか、シルバニアの正門前では一人の兵士が上を向きながら高枝切りバサミを振り上げて何やら抗議している。
「むむむ」
「あのー、」
「おお、丁度いいところに来た。一つ聞きたいのだが」
「はい?」
「この高枝切りバサミ、」
「またそれですか……。」
「青いリボンと紫のリボン、どっちか似合うと思う?」
「……は?」
「いや、まてよ、やはり正式な場の為に着飾るとしたら緑という手も……」
すたすたすた
「おーい、無視するなぁ」
▽中央公園へ行く
▽繁華街へ行く
▽住宅街へ行く
▽書庫に戻る
OWNER
Copyright(c)1997-1998 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp
日本語でどうぞ。