「あっ!レナード将軍っ!」
「む……みつかったかっ!」
「ちょっと待てレナードっ!そのA計画とかいう書類を置いて行けっ!」
「断るっ!」
「あ、アシスト師団長!」
たたたたたっ
「はっはっは。
安心しろってアシスト。
あそこには俺がさっき作った高さ1メートルのバリケードが……」
「結局低くしたんですね……」
「はっ!」
「あ、飛び越えた。」
たたたたたっ
「……しまったぁぁぁぁっ!あいつ運動神経はいいんだったっ!!!」
「白く燃え尽きているベルは放っておいて、レナードを追うぞとにかくっ!」
「あ、はいっ!……ってバリケードが思いっきり邪魔なんですけど……」
「ちっ!
……ウィ・エリス・セルティアス 突風よ我が目前の障害をなぎ払えっ!
ウィンドスラッシュ!!!」
「……これでよし。」
「ってアシスト師団長っ!?あぶないじゃないですかっ!!」
「なんだ、無事だったのか。」
「……ひょっとして巻き込む気だったんですか?
あれ?
ベル師団長は?」
「きゅう。」
「あ、バリケードの残骸の下敷きになってる。」
「よっしゃっ!」
「……アシスト師団長、なんですか、そのガッツポーズは?」
「ああ、いやいや、なんでもない。」
「ちょっと待ちなさい、ロウクス君っ!」
「どうしたエリーゼ?」
「どうした、じゃありませんっ!
お城の中で魔導なんか使ってどういうつもりよっ!?
シルバニア都市法第2条51項2節!『公共施設に置いて攻撃魔導の使用を禁ず……』」
「固い事言うなって。な?」
「な?じゃありませんっ!……ちょっと、何よこの手は?」
「…………エリーゼ。」
「ち、ちょっと、何よ……だ、だめだってばっ!ロウクス君っ!?
秘書さんだっているのよっ!?
それにそんなことで騙そうとしても無駄……で……すっ!」
「……ちっ。」
「ちっ、じゃなぁいっ! 蹴りぃぃぃぃぃぃっ!!!」
「……きゅう。」
「ふん。」
「あのー、レナード将軍追わなくていいんですか?」
「あ、ああ。ち、ちょっと待て……よいしょ……よし、行くか。いてててて」
「……自業自得ですからねっ!」
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