Forbidden Palace Library #06 揺れるその瞳


王都シルバニア
王城1F 新館

王城の建物群の中で最も新しい建物が、ここ新館。
本館の400年以上という歴史に対して僅か100年前に作られたこの建物には、女王専属の従者や料理人、そして王城警備兵の宿舎が設けられている。



「あっ!レナード将軍っ!」

レナード 「む……みつかったかっ!」

アシスト 「ちょっと待てレナードっ!そのA計画とかいう書類を置いて行けっ!」

レナード 「断るっ!」

「あ、アシスト師団長!」
たたたたたっ


ベル 「はっはっは。
 安心しろってアシスト。
 あそこには俺がさっき作った高さ1メートルのバリケードが……」

「結局低くしたんですね……」

レナード 「はっ!」


ひょいっ


「あ、飛び越えた。」
たたたたたっ


ベル 「……しまったぁぁぁぁっ!あいつ運動神経はいいんだったっ!!!」

アシスト 「白く燃え尽きているベルは放っておいて、レナードを追うぞとにかくっ!」

「あ、はいっ!……ってバリケードが思いっきり邪魔なんですけど……」

アシスト 「ちっ!
 ……ウィ・エリス・セルティアス 突風よ我が目前の障害をなぎ払えっ!
 ウィンドスラッシュ!!!


ごうっ!


がらがらがっしゃあああん


アシスト 「……これでよし。」

「ってアシスト師団長っ!?あぶないじゃないですかっ!!」

アシスト 「なんだ、無事だったのか。」

「……ひょっとして巻き込む気だったんですか?
 あれ?
 ベル師団長は?」

ベル 「きゅう。」

「あ、バリケードの残骸の下敷きになってる。」

アシスト 「よっしゃっ!」

「……アシスト師団長、なんですか、そのガッツポーズは?」

アシスト 「ああ、いやいや、なんでもない。」

エリーゼ 「ちょっと待ちなさい、ロウクス君っ!」

アシスト 「どうしたエリーゼ?」

エリーゼ 「どうした、じゃありませんっ!
 お城の中で魔導なんか使ってどういうつもりよっ!?
 シルバニア都市法第2条51項2節!『公共施設に置いて攻撃魔導の使用を禁ず……』」

アシスト 「固い事言うなって。な?」

エリーゼ 「な?じゃありませんっ!……ちょっと、何よこの手は?」

アシスト 「…………エリーゼ。」

エリーゼ 「ち、ちょっと、何よ……だ、だめだってばっ!ロウクス君っ!?
 秘書さんだっているのよっ!?
 それにそんなことで騙そうとしても無駄……で……すっ!」

アシスト 「……ちっ。」

エリーゼ 「ちっ、じゃなぁいっ! 蹴りぃぃぃぃぃぃっ!!!」


どごっ


アシスト 「……きゅう。」

エリーゼ 「ふん。」

「あのー、レナード将軍追わなくていいんですか?」

アシスト 「あ、ああ。ち、ちょっと待て……よいしょ……よし、行くか。いてててて」

エリーゼ 「……自業自得ですからねっ!」



▽王城本館階段前へ行く
▽王城本館へ行く
▽王城別館へ行く



▽書庫に戻る


OWNER
Copyright(c)1997-1998 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。