Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
アークライト邸

城壁の側、比較的分かりやすい区画に建っているアークライト邸。
大通りから家の玄関まで、綺麗に一直線の歩道が続いている。 にもかかわらずほとんどの足跡はその歩道に跡を残さず、むしろ庭の中のあちこちに残っている。

余談になるが、隣の家の表札にもアークライトと書かれている。
アークライト師団長の祖父や親が住む実家である。


(……あれ?
 コペルニクス師団長とマルス前師団長?
 こんな夜中に城壁の側で何やっているんだろう?)

マルス 「……んんん。目指すは世界征服。」

コペルニクス 「ちゃきーん」

(……はい?)

マルス 「キミとマルス君が腕を組めば世界征服も夢じゃない、みたいな。んんん。」

(高枝切りバサミと爆発でどうやって世界征服するんだろう?)

マルス 「んんん。まずはこのシルバニア王国を征服、といきたいところだけど。」

コペルニクス 「だけど?ちゃきーん。」

マルス 「んんん。この国ではマルス君、面が割れているからねぇ。」

(ふとすると忘れちゃうけど、一応かつて師団長だったんだから……)

マルス 「というわけで第一目標は南に隣接するヴァンドレディ公国。」

コペルニクス 「ちゃきーん。」

(それって、ただの近所迷惑なんじゃ……)

マルス 「んんん。しかる後に」

コペルニクス 「後に?ちゃきーん」

マルス 「……臨機応変作戦をとろっかなと。」

(言い方変えれば、ただたんに予定は未定ってこと……?)

マルス 「んんん。よって今ここに、マルス党の結成を宣言するっ!」

コペルニクス 「ちゃきーん!」

(……は?)

マルス 「んんん。
 とりあえず総統がマルス君で会計が君ね。
 党員は以上2名!」

(……ただのシルバニアの恥さらしになるんじゃ。)

マルス 「んんん?誰かそこにいたりするのかな?ちょっと見てきてぷりーず。」

コペルニクス 「ちゃきーん、ちゃきーん。」

(あ、バレたっ!?
 とりあえずあの二人に見つかると
 後が大変そうだから……逃げよっと。)



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