Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
アシスト邸

王城から近い住宅街の一等地に存在するアシスト邸。
華やかさはなく、むしろ質素という言葉が似合う。

飾り気のない外壁は以前の持ち主の趣味なのか、それとも彼がそれを選んだのか。
どちらにせよ、機能美という言葉が相応しい。


レミィ 「あら、秘書さん。
 またお会いしましたわねえ。
 うふふふふふ。」

「ひょっとして、あれからまだ散歩しているんですか?」

レミィ 「はなまるぅ。」

「え?まさか本当にその通りなんですか?」

レミィ 「はなまるぅ、はなまるぅ。」

「って、ですから陛下、えっと、その、
 そうやってすぐに人の手にはなまる描こうとするの
 やめていただけないかなぁと……。」

レミィ 「はなまる、ではありませんわ。
 はなまるぅ、ですわ。その方が格段に可愛くなりますの。
 うふふふふふ。」

「そ、そういう問題なんですか?」

レミィ 「それで、はなまるぅをどこに描けばよろしいですか?」

「あの、いえ、どこにも描かないで頂いた方が嬉しいのですけれど……。」

レミィ 「そうですか……はなまるぅ、可愛いのですけれども。
 もったいないですわ。でも、はなまるぅは私のものですの。
 うふふふふふふふふ。」

「……この国、本当に大丈夫かなぁ……。」



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▽ラントシュタイナー邸へ行く

★★



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