Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
アシスト邸

王城から近い住宅街の一等地に存在するアシスト邸。
華やかさはなく、むしろ質素という言葉が似合う。

飾り気のない外壁は以前の持ち主の趣味なのか、それとも彼がそれを選んだのか。
どちらにせよ、機能美という言葉が相応しい。


「あ、いた、あの角ですっ!」

レナード 「!!!」

アーク 「Zzz……アークは姓名で僕の名前はケイン……むにゃむにゃ。」

「……は?」

アーク 「ジュリアさん……編み棒とられたら僕困っちゃう。むにゃむにゃ……」

「い、一体どんな夢を見ているんですかねぇ……?」

レナード 「確かに気にならないこともないが……」

アーク 「僕が行方不明になったらタイトルは『失われたアーク』に……Zzz。」

「密かに寝ながらものすごいこと言ってますよね、アークライト師団長。」

レナード 「そんな悠長なこと言ってないで、
 今はアークを追うのが先決だっ!
 エリーゼの家の方に歩いていったぞっ!」

「は、はいっ!」



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